# 基本(The Basics)

最終更新日: 2025/5/17\
原文: <https://docs.swift.org/swift-book/LanguageGuide/TheBasics.html>

一般的な種類のデータを操作し、基本的な構文を記述する。

Swift は、整数のための `Int`、浮動小数点の値のための `Double`、真偽値のための `Bool`、文字列のための `String` を含む、多くの基本的なデータ型を提供しています。 また、3 つのより強力な collection 型(`Array`, `Set`, `Dictionary`)も提供しています。詳細は [Collection Types(コレクション型)](/the-swift-programming-language-jp/language-guide/collection-types.md)に記載しています。

Swift は、名前を特定して、値を保持したり、その値を参照するために変数を使います。また、変数の値を変更できなくすることで、より幅広い方法で変数を使用することができます。これらは、定数として知られており、Swift 内では、値を変更する必要がない場合でも、コードを安全で意図を明確にするために使われます。

これまで見たことがあるような型に加え、Swift はタプルのような、より応用的な型を導入します。タプルは値を 1 つのグループとして扱うことができます。タプルを使用すると、複数の値を 1 つの値の組み合わせとして関数から返すことができます。

Swift はオプショナル型を使って値が存在しないことを処理します。オプショナルは、「値が存在していて、これは x である」もしくは「値は存在しない」ということを表します。 オプショナルは、値を使用する前にその値が存在するかどうかを常に確認し、非オプショナルは必ず値が存在することを保証します。

Swift は安全な言語であり、開発プロセスの早い段階でさまざまな種類のバグを発見し、修正しやすくし、特定の種類のバグが発生しないことを保証できます。この型安全性により、コードが扱う値の型を明確にできます。たとえば、コードの一部が `String` を必要とする場合、型安全性によって誤って `Int` を渡すことはできません。 メモリ安全性により、有効なデータのみを扱い、初期化されていないメモリや解放済みのオブジェクトを利用することがなくなります。また、そのデータに安全な方法でアクセスすることが保証されます。たとえ複数のコードが同時に実行されるプログラムであってもです。Swift は、ほとんどの安全性チェックをコードのビルド時に行い、一部のケースではコード実行中にも追加のチェックを行います。

## 定数と変数(Constants and Variables)

定数と変数は特定の型の値(数字の `10` や文字列の `"Hello"` など)と名前(`maximumNumberOfLoginAttempts` や `welcomeMessage`)を関連付けます。\_定数\_は一度値を設定すると変更することはできません。一方で、\_変数\_は後で異なった値を設定できます。

### 定数と変数の宣言(Declaring Constants and Variables)

定数と変数は、使用する前に定義されていなければなりません。定数は `let`、変数は `var` キーワードで定義します。ここで、ユーザが何回ログインをしようとしたか試行回数を追跡する定数と変数の例を紹介します。

```swift
let maximumNumberOfLoginAttempts = 10
var currentLoginAttempt = 0
```

このコードは下記のように読み取れます。

「`maximumNumberOfLoginAttempts` という定数を定義して、`10` という値を設定します。次に `currentLoginAttempt` という変数を定義して、`0` という初期値を設定します」

この例では、最大回数は変更しないので定数で定義しています。試行回数はログインを試みる度に増やさなければならないため、変数として今の試行回数を定義しています。

コードに格納された値が変化しない場合は、常に \`let\`\` キーワードで定数として宣言してください。変数は、変化する値を格納する場合にのみ使用します。

定数や変数を宣言するとき、上の例のように宣言の一部として値を与えることができます。あるいは、プログラムの後半で初期値を代入することもできます。

```swift
var environment = "development"
let maximumNumberOfLoginAttempts: Int
// maximumNumberOfLoginAttemptsにはまだ値がない。

if environment == "development" {
    maximumNumberOfLoginAttempts = 100
} else {
    maximumNumberOfLoginAttempts = 10
}
// この時点でmaximumNumberOfLoginAttemptsには値が存在し、値を読み取ることができる。
```

この例では、ログイン試行回数の最大値は一定で、その値は環境に依存します。開発環境では 100 であり、他の環境では 10 です。`if` 文の両方のブランチで `maximumNumberOfLoginAttempts` を特定の値で初期化しているため、定数が常に値が存在することを保証しています。この方法で初期値を設定するときに Swift がコードをチェックする方法についての情報は、[定数宣言(Constant Declaration)](https://swift-programming-language-jp.gitbook.io/the-swift-programming-language-jp/language-guide/pages/-M_8EU8FWBYX1Q1TZ4Zt#定数宣言constant-declaration)を参照してください。

カンマ(`,`)区切りで 1 行の中に複数の定数や変数を定義することもできます。

```swift
var x = 0.0, y = 0.0, z = 0.0
```

### 型注釈(Type Annotations)

定数や変数を定義するときに、保持する値の種類をより明確にするために、型注釈を使用することができます。定数や変数の名前の後にコロン(`:`)を置いて、型注釈を書きましょう。

この例では `welcomeMessage` という変数に型注釈を書いて `String` が保持されることを示しています。

```swift
var welcomeMessage: String
```

定義の中のコロンは、「~~型の~~」を意味します。なので、このコードは下記のように読み取れます。

「`String` 型の `welcomeMessage` という変数を定義します」

「`String` 型の」という句は、どんな `String` 型の値も保持できることを意味します。つまり、保持することができる「物事の型(種類)」だと考えましょう。

`welcomeMessage` にはエラーなしに文字列を設定できます。

```swift
welcomeMessage = "Hello"
```

1 行の中で、同じ型の複数の変数をカンマで区切って定義することもできます。この際、型注釈は最後の変数の後に 1 つ付けます。

```swift
var red, green, blue: Double
```

> NOTE\
> 実際に型注釈を書く必要はあまりありません。定義時に定数や変数に初期値を与えた場合、 Swift はたいていそれらの型を推論できます(詳細は[Type Safety and Type Inference(型安全と型推論)](#type-safety-and-type-inferenceto)。上記の `welcomeMessage` の例では、初期値を与えていないため、推論をすることができないため、`welcomeMessage` 変数は型注釈で型を特定しています。

### 定数と変数の命名(Naming Constants and Variables)

定数名と変数名には、Unicode 文字も含めた、ほとんどの文字を含めることができます。

```swift
let π = 3.14159
let 你好 = "你好世界"
let 🐶🐮 = "dogcow"
```

定数名と変数名に、ホワイトスペース、数学記号、矢印、公式ではない Unicode スカラ値、罫線素片、書式文字は含められません。また、数字から始めることはできません(他の位置に数字を含めることはできます)

一度ある型の定数や変数を定義すると、同じ名前で再定義することはできません。また、異なる型の値を保持することもできません。定数を変数に、変数を定数に変換することもできません。

> NOTE\
> Swift の予約語と同じ名前の定数や変数を使いたい場合、そのキーワードをバッククォート(`` ` ``)で囲みます。可能ではありますが、予約語を名前に使用することは本当に他に選択肢がない以外は避けましょう。

既存の変数の値を他の互換性のある型の値に変更することはできます。下記の例では、`friendlyWelcome` の値を `"Hello!"` から `"Bonjour!"` に変更しています。

```swift
var friendlyWelcome = "Hello!"
friendlyWelcome = "Bonjour!"
// friendlyWelcome は "Bonjour!"
```

変数とは異なり、定数の値は最初に設定した後に変更できません。試みても、コンパイル時にエラーになります。

```swift
let languageName = "Swift"
languageName = "Swift++"
// コンパイルエラー: languageName は変更できません
```

### 定数と変数の出力(Printing Constants and Variables)

`print(_:separator:terminator:)` 関数を使用して、定数や変数の現在の値を出力することができます。

```swift
print(friendlyWelcome)
// Bonjour!
```

`print(_:separator:terminator:)` 関数はグローバル関数で、1 つ以上の値を適切なアウトプット先に出力します。Xcode では、`print(_:separator:terminator:)` 関数を使用すると、 Xcode のコンソールパネルへ値を出力します。`separator` と `terminator` パラメータには、デフォルト値が用意されているので省略可能です。デフォルトでは最後に改行を追加します。改行を付けたくない場合は `terminator` に空文字を渡してください。例えば `print(someValue, terminator: "")`。詳細は[Default Parameter Values(デフォルトパラメータ値)](/the-swift-programming-language-jp/language-guide/functions.md#default-parameter-values)。

Swift は長い文字列の中で定数や変数をプレースホルダとして使用したい場合、\_文字列補間\_を使い、定数や変数の現在値に置き換えるように Swift に伝えることができます。名前を括弧(`()`)で囲み、開始括弧の前にバックスラッシュ(`\`)を付けます。

```swift
print("The current value of friendlyWelcome is \(friendlyWelcome)")
// The current value of friendlyWelcome is Bonjour!
```

> NOTE\
> 文字列補間で使用できるオブションは[String Interpolation(文字列補間)](/the-swift-programming-language-jp/language-guide/strings-and-characters.md#string-interpolation)に記載しています

## コメント(Comments)

コード内に実行されないテキスト(メモやリマインダーなど)を含めるためにはコメントを使います。コメントはコンパイル時に Swift のコンパイラからは無視されます。

Swift のコメントは C 言語のコメントにとてもよく似ています。1 行のコメントは 2 つのスラッシュ(`//`)で開始します。

```swift
// これはコメントです
```

複数行の場合は、スラッシュ+アスタリスク(`/*`)で開始し、アスタリスク+スラッシュ(`*/`)で終了します。

```swift
/* これはコメントです
複数行に渡って書くこともできます */
```

C 言語の複数行コメントとは異なり、Swift ではコメントを他の複数行コメントにネストさせることができます。1 つ目の複数行コメントブロックの中で、2 つ目の複数行ブロックコメントを開始します。2 つ目のブロックは、1 つ目のブロックの前にコメントを閉じます。

```swift
/* これは最初の複数行コメントの開始です
 /* これはネストした2番目の複数行コメントの開始です
これはネストした2番目の複数行コメントの終わりです */
これは最初の複数行コメントの終わりです */
```

ネストした複数行コメントを使用することで、長い複数行コメントの中でも簡単に素早くその部分だけコメントアウトすることができます。

## セミコロン(Semicolons)

他の言語とは異なり、Swift ではコードの 1 つ 1 つの宣言の最後に、セミコロン(`;`)を付ける必要がありません(付けることも可能ではあります)。一方で、1 行に複数のステートメントを書きたい場合は必要になります。

```swift
let cat = "🐱"; print(cat)
// 🐱
```

## 整数(Integers)

*整数\_は小数点のない整数値を全部含みます(`42`、`-23` など)。整数とは\_符号付き*(正の値、または 0、または負の値) または\_符号なし\_(正の値、または 0) です。整数値を格納するために使用されるビット数によって、その最大値と最小値が決まります。整数型には、そのサイズと符号が名前に含まれています。例えば、8 ビットの符号なし整数は `UInt8` 型であり、32 ビットの符号付き整数は `Int32` 型です。Swift の全ての型と同様に、これらの整数値型の頭文字は大文字です。ほとんどの場合、特定の整数サイズを指定する必要がない場合は、下記で説明する `Int` 型を使用します。

整数型は、手動で行うほとんどの算術と同様に動作します。整数の計算は近似せずに結果を生成します。これらの特性により、整数は正確な量を表すカウントやその他の計算に適しています。例えば、テキストファイル内の最長行を見つける、ゲームでスコア乗数を適用する、またはレシートの価格を合計するなどです。

整数は小数部分を持ちませんが、整数を使用して小数部分を含む量を表すことができます。例えば、`1.23` ドルをセント単位で数える整数 `123` として格納することができます。この方法は、小数点が数値の固定された位置にあるため、\_固定小数点演算\_として知られています。上記の例では、数値 `123` は最後の 2 桁の前に小数点があると理解されます。

> 注: 金融や建設などの規制された分野での計算、または高精度な結果が期待されるドメインでは、その分野の要件に従って丸めや切り捨てなどの動作を実装する特殊な数値型が必要になる場合があります。

### 整数の境界(Integer Bounds)

`min` と `max` プロパティを使用して、各整数値型の最小値と最大値にアクセスすることができます。

```swift
let minValue = UInt8.min  // minValue は 0 で、 UInt8 型です
let maxValue = UInt8.max  // maxValue は 255 で UInt8 型です
```

これらのプロパティの値は、適切なサイズの整数値型で(上記の例だと `UInt8`)で、同じ型の他の値と一緒に式の中で使用することができます。

範囲外の結果を生み出す計算、例えば `max` プロパティより大きい数値などは、不正な結果を保存する代わりにプログラムの実行を停止します。代わりにオペレーションを明示的にオーバーフローさせることもできます。詳細は[Overflow Operators(オーバーフロー演算子)](/the-swift-programming-language-jp/language-guide/advanced-operators.md#overflow-operators)を参照してください。

### Int

多くの場合、整数値のサイズを特定する必要はありません。Swift はプラットフォームに応じて決まるサイズと同じサイズをもつ `Int` という型を提供しています。

* 32 ビットのプラットフォームの場合、`Int` は `Int32` と等しい
* 64 ビットのプラットフォームの場合、`Int` は `Int64` と等しい

特定のサイズの整数値を扱う必要がない限り常に `Int` を使用するようにしてください、これはコードの一貫性と互換性を保つ手助けとなります。32 ビットのプラットフォームでは、`Int` は `-2,147,483,648` から `2,147,483,647` まで保持することができます。これは整数値が使われる多くの場合において、十分に大きい範囲です。

### UInt

Swift は符号なしの整数値型も提供しています。これも、プラットフォームに応じて決まるサイズと同じサイズを持ちます。

* 32 ビットのプラットフォームの場合、`UInt` は `UInt32` と等しい
* 64 ビットのプラットフォームの場合、`UInt` は `UInt64` と等しい

> NOTE\
> `UInt` は特別にプラットフォームに応じて決まるサイズと同じサイズの 符号なし整数型を扱いたい場合にのみ使用してください。そうでない場合、負の値にならないとしても `Int` を使用する方が好ましいです。一貫して `Int` を整数値に使用することで、異なる整数値型間の変換を避け、合致する型をコンパイラが推論することで、互換性を保つことができます。詳細は[Type Safety and Type Inference(型安全と型推論)](#type-safety-and-type-inferenceto)。

## 浮動小数点数(Floating-Point Numbers)

浮動小数点数は、小数部分を持ちます(`3.14159`, `0.1`, `-273.15` など)。Swift は、異なるサイズの数値をサポートする様々な浮動小数点数型を提供しています。正確なサイズを指定する必要がない場合は `Double` を使用してください。そうでない場合は、`Float16` や `Float80` のように必要なサイズを名前に含む型を使用してください。浮動小数点演算の一般的な用語に従い、`Float` は 32 ビット、`Double` は 64 ビットを使用します。これらの型は `Float32` や `Float64` としても記述できます。例えば、グラフィックスコードでは GPU の最速データ型に合わせるために `Float` をよく使用します。一部の浮動小数点数型は特定のプラットフォームでのみサポートされていますが、`Float` と `Double` は全てのプラットフォームで利用可能です。

浮動小数点数は非常に小さい数値と非常に大きい数値を扱うことができますが、その範囲内の全ての値を表現できるわけではありません。整数の計算は常に正確な結果を生み出しますが、浮動小数点数の計算は表現可能な最も近い数値に結果を丸めます。例えば、`Float` 型で `10,000` を格納する場合、次に大きい数値は `10,000.001` です。この 2 つの数値の間の値はどちらかに丸められます。また、数値間の間隔も可変です。大きい数値の間隔は小さい数値の間隔よりも大きくなります。例えば、`0.001` の次の `Float` 値は `0.0010000002` であり、これは `10,000` の後の間隔よりも小さくなります。

浮動小数点数は、負のゼロ、無限大、負の無限大の値を持ち、計算におけるオーバーフローとアンダーフローを表します。また、ゼロをゼロで割るなどの無効または未定義の結果を表すために、NaN(Not a Number)値も含まれています。この動作は、結果を表現できない場合にプログラムを停止する整数とは異なります。

全ての可能な値の間で同じ間隔が必要な場合、または行っている計算が正確な結果を必要とし、上記の特別な値を必要としない場合、浮動小数点数は適切なデータ型ではないかもしれません。[整数(Integers)](#整数integers)で説明したように、代わりに固定小数点数を使用することを検討してください。

## 型安全と型推論(Type Safety and Type Inference)

Swift のプログラムにおけるすべての値には型があります。値を保存するすべての場所(定数、変数、プロパティを含む)にも型があります。型アノテーションを使って明示的に型を記述することもできますし、Swift が初期値から型を推論することもあります。コード内で値を渡す場所ごとに、その値の型と使用する場所の型は一致しなければなりません。たとえば、コードの一部で `String` 型が必要な場合、誤って `Int` 型を渡すことはできません。このような型のチェック機構により、Swift は型安全な言語となっています。

型安全な言語は、コードが操作する値の型について明確にすることを促します。ある型の値が別の型に暗黙的に変換されることはありません。ただし、一部の型は明示的に変換することができます。コードを作成する際、Swift は型の安全性をチェックし、不一致があればエラーとして表示します。

型チェックによって、異なる型の値を扱う場合に間違った型を代入してしまうエラーを回避することができます。しかし、全ての定数と変数の定義時に型を特定しなければならないということではありません。特定しない場合、Swift は適切な型への推論を行います。コンパイラがコンパイル時に与えられた値を調べることで、式の型を自動で推論してくれます。

この型推論のおかげで、Swift は C 言語や Objective-C のような言語と比べて、型を宣言する必要はあまりありません。定数と変数は明示的に型を記載する場合もありますが、型を特定する多くの作業は Swift の側で行なってくれます。

型推論は、特に初期値を伴って変数や定数を宣言するときに役に立ちます。特に、\_リテラル値(または literal)\_な値を代入する際によく機能します。(リテラルな値とは、下記の例にあるようなコードに直接出てくる `42, 3.14159` のような値のことです)

例えば、`42` を新しい定数に型を記載せずに代入すると、整数値型に見える数値リテラルで初期化していることから、Swift はその型を推論して `Int` と判断します。

```swift
let meaningOfLife = 42
// meaningOfLife は Int 型と推論されます
```

同様に、浮動小数点数を型なしで宣言した場合、Swift は `Double` を定義したと推論します。

```swift
let pi = 3.14159
// pi は Double 型と推論されます
```

Swift は浮動小数点数を推論する際に、常に(`Float` よりも)`Double` を選択します。

式の中で整数値と浮動小数点数を組み合わせた場合は、コンテキストから多くの場合 `Double` と推論されます。

```swift
let anotherPi = 3 + 0.14159
// anotherPi は Double 型と推論されます
```

`3` には明確な型がありませんが、後ろの浮動小数点数の値から `Double` と推論されます。

## 数値リテラル(Numeric Literals)

数値リテラルは、下記の方法で書くことができます。

* プレフィックスなしの 10 進数
* `0b` をプレフィックスにした 2 進数
* `0o` をプレフィックスにした 8 進数
* `0x` をプレフィックスにした 16 進数

これらの数値リテラルは、`17` という 10 進数を下記のように保持します。

```swift
let decimalInteger = 17
let binaryInteger = 0b10001       // 17 は２進数表記
let octalInteger = 0o21           // 17 は8進数表記
let hexadecimalInteger = 0x11     // 17 は16進数表記
```

浮動小数点数リテラルは、10 進数と 16 進数にできます。小数点の左と右の両方に必ず整数値が必要です。10 進数の浮動小数点数は、指数を持つ場合があります(小文字または大文字の `e`)。16 進数の浮動小数点数は必ず指数を指定しなければなりません(小文字または大文字の `p`)。

`exp` の指数を持つ 10 進数では、元の値に$$10^{exp}$$を掛けます。

* `1.25e2` は 1.25 x $$10^2$$ または `125.0` と等しい
* `1.25e-2` は 1.25 x $$10^{-2}$$ または `0.0125` と等しい

`exp` の指数を持つ 16 進数では、元の値に$$2^{exp}$$を掛けます。

* `0xFp2` は 15 x $$2^2$$ または `60.0` と等しい
* `0xFp-2` は 15 x $$2^{-2}$$ または `3.75` と等しい

下記の浮動小数点数は、全て `12.1875` という 10 進数を表しています。

```swift
let decimalDouble = 12.1875
let exponentDouble = 1.21875e1
let hexadecimalDouble = 0xC.3p0
```

整数値リテラルは、読みやすくするために追加でフォーマットを含めることができます。整数値や浮動小数点数へ追加の 0 を加えたり、アンダースコア(`_`)を追加することで可読性を向上させることができます。このフォーマットに整数値自体への影響はありません。

```swift
let paddedDouble = 000123.456
let oneMillion = 1_000_000
let justOverOneMillion = 1_000_000.000_000_1
```

## 数値型の変換(Numeric Type Conversion)

通常整数値を扱う際は、負の値にならないことがわかっていたとしても定数や変数に `Int` 型を使いましょう。全ての状況でデフォルトに `Int` を使用することで、整数値の定数と変数を特別な手順なしに互換可能にし、数値リテラルから推論される型とも合致します。

特別な理由がある場合のみ、他の整数値型を使いましょう。例えば、外部リソースから特定サイズの型が指定されている場合やパフォーマンス、メモリの使用量や他の最適化が必要な場合など、がこれに当たります。明示的にサイズを指定することで思わぬオーバーフローを起こしたり、暗黙的にそのデータの特性を表現することができます。

### 整数の変換(Integer Conversion)

整数値の定数や変数に保持できる範囲は、それぞれの整数値型によって異なります。`Int8` の定数や変数は、`−128` から `127` まで保持できます。`UInt8` の定数や変数は、`0` から `255` まで保持できます。指定したサイズの整数値型の定数や変数に合わない値を設定しようとするとエラーになります。

```swift
let cannotBeNegative: UInt8 = -1
// UInt8 はマイナス値を保持できません。そのためエラーになります
let tooBig: Int8 = Int8.max + 1
// Int8 は最大値以上のマイナス値を保持できません。
// そのためこれもエラーになります
```

このように、整数値型によって保持できる範囲が異なるため、ケースごとに型の変換をしなければなりません。この明示的に指定する方法によって、隠れた変換ミスを防ぎ、コードで型変換が起こっていることを明確に表現することができます。

ある特定の整数値型を他の型に変換するためには、既存の整数値から変換したい型の新しい値を生成する必要があります。下記の例では、定数 `twoThousand` は `UInt16` ですが、定数の `one` は `UInt8` です。この 2 つは同じ型ではないので直接足し算をすることができません。そこで、この例では、`one` を使用して `UInt16` の新しい値を作るために `UInt16(one)` を呼び、元の値に置き換えて使います:

```swift
let twoThousand: UInt16 = 2_000
let one: UInt8 = 1
let twoThousandAndOne = twoThousand + UInt16(one)
```

今はどちらも `UInt16` なので、足し算は可能です。そして計算結果の定数(`twoThousandAndOne`)も `UInt16` に推論されます。

`SomeType(ofInitialValue)` という形式は、初期値を渡して初期化を行う Swift のデフォルトの方法です。裏側では、`UInt16` 型が `UInt8` の値を受け取って、新しい `UInt16` 型の値を生成しています。とはいっても、あらゆる型を渡せるわけではありません。`UInt16` 型が提供するイニシャライザに合った型が必要です。新しい型を渡して初期化する方法は、[Extensions(拡張)](/the-swift-programming-language-jp/language-guide/extensions.md)に記載しています。

### 整数と浮動小数点数の変換(Integer and Floating-Point Conversion)

整数値と浮動小数点数の変換は明示的に行わなければなりません:

```swift
let three = 3
let pointOneFourOneFiveNine = 0.14159
let pi = Double(three) + pointOneFourOneFiveNine
// pi は 3.14159 で Double 型と推論されます
```

ここに、定数 `3` の値が `Double` 型の新しい値を作って使われています。そのため、両方の型が同じになり、足し算が可能です。変換をしない場合、足し算はできません。

整数値から浮動小数点数への変換は明示的に行わなければなりません。整数値は `Double` や `Float` で初期化できます。

```swift
let integerPi = Int(pi)
// integerPi は 3 で Int 型と推論されます
```

浮動小数点数の値は新しい整数値として初期化される場合、必ず小数点は切り捨てられます。つまり、`4.75` は `4`、`-3.9` は `-3` になります。

> NOTE\
> 整数値の定数と変数を組み合わせるルールは、数値リテラルのルールとは異なります。リテラル値の `3` はリテラル値の `0.14159` とそのまま加算できます。リテラル値は明示的な型を有していないため、コンパイラがその値を評価するときに型を推論します。

## タイプエイリアス(Type Aliases)

\_タイプエイリアス(Type Aliases)\_は既存の型に別の名前を定義します。`typealias` キーワードを使います。

タイプエイリアスは、既存の型をコンテキストに沿ったより適切な名前で参照したい場合に有効です。例えば、外部リソースの特定のサイズのデータを扱いたい場合など:

```swift
typealias AudioSample = UInt16
```

定義したタイプエイリアスは、元の名前で使用していた所にも使用することができます:

```swift
var maxAmplitudeFound = AudioSample.min
// maxAmplitudeFound は 0
```

ここでは、`AudioSample` が `UInt16` のタイプエイリアスとして定義されています。エイリアスなので、`AudioSample.min` の実態は `UInt16.min` で、`maxAmplitudeFound` の初期値は `0` になります。

## ブール値(Booleans)

Swift は、`Bool` と呼ばれる基本的なブール値を持っています。ブール値は、真(true)か偽(false)のみを値として取ることから、\_論理値(logical)\_として参照されます。Swift では `true` と `false` の 2 つのブールの定数を提供しています。

```swift
let orangesAreOrange = true
let turnipsAreDelicious = false
```

`orangesAreOrange` と `turnipsAreDelicious` は、ブール値リテラルで初期化されていることから `Bool` と推論されます。これまで見てきた `Int` や `Double` のように、`true` や `false` を値に設定すれば、明示的に `Bool` と指定する必要はありません。既に型がわかっている他の定数や変数を使用して初期化する際に、Swift の型推論を活用することで、より簡潔で読みやすいコードを書くことができます。

ブール値は、条件文を扱う際にとても有効です。例えば、`if` 文など:

```swift
if turnipsAreDelicious {
    print("Mmm, tasty turnips!")
} else {
    print("Eww, turnips are horrible.")
}
// Eww, turnips are horrible.
```

`if` のような条件文については、[Control Flow(制御フロー)](/the-swift-programming-language-jp/language-guide/control-flow.md)でより詳細に記載しています。

Swift は型安全なので、`Bool` 以外の値を `Bool` として使うことはできません。次の例はコンパイルエラーになります:

```swift
let i = 1
if i {
    // この例はコンパイルされず、エラーになります
}
```

一方で、次の例は問題ありません:

```swift
let i = 1
if i == 1 {
    // コンパイルできます
}
```

`i == 1` の比較結果は `Bool` なので、型チェックを通過できます。`i == 1` のような比較については、[Basic Operators(基本演算子)](/the-swift-programming-language-jp/language-guide/basic-operators.md)でより詳しく記載しています。

他の型安全性を示した例と同様に、型の違いによる予期せぬエラーの発生を防ぎ、型が明確なので、コードの意図をより明確に表すことができます。

## タプル(Tuples)

\_タプル(Tuples)\_は、複数の値を 1 つのまとまりにグループ化します。タプル内の値にはどんな型も入れることができ、全ての型を同じにする必要はありません。

下記の例の `(404, "Not Found")` は、 HTTP ステータスコードを表したタプルです。HTTP ステータスコードは、Web ページを取得するリクエストを送ると Web サーバから返ってくる特別な値です。`404 Not Found` のステータスコードは、リクエストした Web ページが存在しなかった場合に返ってきます。

```swift
let http404Error = (404, "Not Found")
// http404Error は (Int, String)型で (404, "Not Found")と等しい
```

`(404, "Not Found")` タプルは、HTTP ステータスコードを 2 つの値:(数値と人が理解できる説明文)に分けた `Int` と `String` を 1 つのグループにまとめています。これは「`(Int, String)` 型のタプル」と説明できます。

タプルは、任意の順序で、異なる任意の型を組み合わせることができます。例えば、`(Int, Int, Int)` や `(String, Bool)` 型のタプルも作ることができますし、必要に応じて順番の入れ替えも可能です。

タプルの個々の内容をそれぞれ定数や変数に分けて扱うこともでき、他の値と同じようにアクセスすることができます:

```swift
let (statusCode, statusMessage) = http404Error
print("The status code is \(statusCode)")
// The status code is 404
print("The status message is \(statusMessage)")
// The status message is Not Found
```

もしタプルの一部だけが必要な場合、タプルを展開するときに、アンダースコア(`_`)を使用して無視することができます。

```swift
let (justTheStatusCode, _) = http404Error
print("The status code is \(justTheStatusCode)")
// The status code is 404
```

各値へのアクセス方法としては、0 から始まるインデックスを使用することもできます:

```swift
print("The status code is \(http404Error.0)")
// The status code is 404
print("The status message is \(http404Error.1)")
// The status message is Not Found
```

タプルの定義時に、名前を付けることもできます:

```swift
let http200Status = (statusCode: 200, description: "OK")
```

名前を付けた場合、その名前を使用して各値へアクセスすることができます:

```swift
print("The status code is \(http200Status.statusCode)")
// The status code is 200
print("The status message is \(http200Status.description)")
// The status message is OK
```

タプルは、特に関数の戻り値で有効に活用できます。Web ページを取得する関数は、取得の成否の結果を `(Int, String)` で返すかもしれません。2 つの異なる型の値を持ったタプルを返すことで、1 つの型の 1 つの値を返すよりも、関数はより有益な情報を提供できます。より詳しくは、[Functions with Multiple Return Values(複数の戻り値がある関数)](https://swift-programming-language-jp.gitbook.io/the-swift-programming-language-jp/language-guide/pages/-MenCvpVtMsN6H4YBG5m#functions-with-multiple-return-values複数の戻り値がある関数)を参照ください。

## オプショナル(Optionals)

*オプショナル\_は、値が存在しないかもしれないときに使用します。オプショナルは 2 つの可能性を表します: 指定された型の値が\_存在して\_アンラップすることで値にアクセスすることができる、もしくは、値が全く\_存在しない*

欠如している可能性のある値の例として、 Swift の `Int` 型には `String` を `Int` へと変換するイニシャライザがあります。しかし、文字列の中で `Int` に変換できるものは一部だけです。「`123`」という文字列は数値 `123` に変換できますが、「`hello world`」は変換することができません。

下記の例は `String` を `Int` へ変換するイニシャライザの例です。

```swift
let possibleNumber = "123"
let convertedNumber = Int(possibleNumber)
// convertedNumber の型は 「Optional<Int>」 です。
```

上記コードのイニシャライザは失敗するかもしれないので、`Int` ではなく、\_オプショナル\_の `Int` を返します。

オプショナル型を記述するには、オプショナルが含む型の名前の後に疑問符( `?` ) を書きます。例えば、オプショナルな `Int` の型は `Int?` です。オプショナルな `Int` は常にある `Int` の値があるか、 `nil` かのどちらかです。 それ以外の値、例えば `Bool` や `String` を含めることはできません。

### nil

オプショナルな変数は、特別な値 `nil` を代入することで、値のない状態を設定することができます:

```swift
var serverResponseCode: Int? = 404
// serverResponseCode Int の値の 404 を含んでいます
serverResponseCode = nil
// serverResponseCode は 値を含んでいません
```

もし、デフォルトで値を与えずにオプショナルな変数を定義した場合、その変数には自動で `nil` が設定されます:

```swift
var surveyAnswer: String?
// surveyAnswer には自動で nil が設定されます
```

`if` 文を使用してオプショナル値を `nil` と比較することで、値を含んでいるかどうかのチェックができます。この比較は、等しい(`==`)または等しくない(`!=`)演算子を使用して行います。

オプショナル値が値を含んでいる場合、`nil` と「等しくない」と見なされます。

```swift
let possibleNumber = "123"
let convertedNumber = Int(possibleNumber)

if convertedNumber != nil {
    print("convertedNumber contains some integer value.")
}
// convertedNumber contains some integer value.
```

非オプショナルの定数や変数に `nil` を使用することはできません。コード内の定数や変数が特定の条件下で値の欠如を扱う必要がある場合、適切な型のオプショナル値として宣言します。非オプショナル値として宣言された定数や変数は、 `nil` を含むことが絶対にできないことが保証されています。非オプショナル値に `nil` を割り当てようとすると、コンパイル時にエラーが発生します。

このオプショナル値と非オプショナル値を区別することで、どの情報が欠如しているか明示的にマークすることができ、欠如している値を取り扱うコードを書くのが簡単になります。オプショナル値を非オプショナル値として誤って扱うことはできません。なぜなら、このようなミスはコンパイル時にエラーを生成するからです。値をアンラップした後、その値を利用する他のコードは `nil` のチェックをする必要がなくなるため、コードの異なる部分で同じ値を何度もチェックする必要がありません。

オプショナル値にアクセスするとき、コードは常に `nil` の場合と非 `nil` の場合の両方を処理します。値が欠如しているときにできるいくつかのことがあり、次のセクションで説明されています。

* `nil` のときに値を操作するコードをスキップする
* `nil` の値を伝播させるには、`nil` を返すか `?` を使用します。`?` 演算子については、[ Optional Chainig (オプショナルチェーン) ](/the-swift-programming-language-jp/language-guide/optional-chaining.md)を参照してください
* `??` 演算子を使用して、フォールバック値を提供します
* `!` 演算子を使用して、プログラムの実行を停止します

> NOTE Objective-C では、 `nil` は存在しないオブジェクトへのポインタです。Swiftでは、 `nil` はポインタではありません。特定の型の値の欠如です。任意の型のオプショナル値は、オブジェクトタイプだけでなく `nil` を設定することができます。

### オプショナルバインディング(Optional Binding)

オプショナル値に、オプショナルバインディングを使用して、値を含んでいるかどうかを判定できます。もし含んでいる場合は、一時的な定数や変数として値を使用できるようになります。オプショナルバインディングは、`if` や `guard` 、 `while` 文の 1 つのアクションで、オプショナル値に値が存在することを証明し、定数や変数にその内部の値を設定することを、まとめて行うことができます。`if` や `guard` 、 `while` の詳細は[Control Flow(制御フロー)](/the-swift-programming-language-jp/language-guide/control-flow.md)を参照ください。

`if` 文でオプショナルバインディングを行う場合、次のように書きます:

```swift
if let constantName = someOptional {
    statements
}
```

[Optionals(オプショナル)](#optionals)の中の例で出てきた `possibleNumber` は、強制アンラップの代わりに、オプショナルバインディングを使用して書き換えることができます。

```swift
if let actualNumber = Int(possibleNumber) {
    print("The string \(possibleNumber) has an integer value of \(actualNumber)")
} else {
    print("The string \(possibleNumber) couldn't be converted to an integer")
}
// The string 123 has an integer value of 123
```

このコードはこのような意味に読み取れます。

「`Int(possibleNumber)` が返すオプショナルの `Int` が値を含んでいた場合、`actualNumber` にその値を設定します」

この変換が成功した場合、`actualNumber` 定数は `if` 文の最初の分岐内で使用することができます。オプショナル内にラップされている値で既に初期化は完了しているので、対応する非オプショナルの型を持っています。この場合、 `possibleNumber` の型は `Int?` なので、 `actualNumber` の型は `Int` です。

オプショナルに含まれている値にアクセスした後、元のオプショナルの定数または変数を参照する必要がない場合は、新しい定数または変数に同じ名前を使用できます。

```swift
let myNumber = Int(possibleNumber)
// ここでmyNumberはオプショナルのInt
if let myNumber = myNumber {
    // ここでmyNumberはオプショナルではないInt
    print("My number is \(myNumber)")
}
// My number is 123
```

このコードは、前の例のコードと同様に、`myNumber` に値が含まれているかどうかを確認することから始まります。`myNumber` に値がある場合、`myNumber` という名前の新しい定数の値がその値に設定されます。`if` 文の本文内では、`myNumber` は新しい非オプショナルの定数が参照されます。`if` 文の前後で `myNumber` を使うと、元のオプショナルの定数 `Int` が参照されます。

この種のコードはとても一般的で、短いスペルを使用してオプショナル値をアンラップできます。アンラップする定数または変数の名前だけを記述します。ラップされていない新しい定数または変数は、オプショナル値と同じ名前を暗黙的に使用します。

```swift
if let myNumber {
    print("My number is \(myNumber)")
}
// My number is 123
```

オプショナルバインディングは定数と変数の両方に使用することができます。`if` 文の最初の分岐内で `actualNumber` を変更したい場合は、`if var actualNumber` と書くことで、定数の代わりに変数としてこのオプショナル値を使用できます。

1 つの `if` 文の中に、複数のオプショナルバインディングとブール値をカンマ(`,`)区切りで含めることができます。そのうちのいずれかが `nil` または `false` の場合、`if` 文全体が `false` と判断されます。次の `if` 文はこれに該当します。

```swift
if let firstNumber = Int("4"), let secondNumber = Int("42"), firstNumber < secondNumber && secondNumber < 100 {
    print("\(firstNumber) < \(secondNumber) < 100")
}
// 4 < 42 < 100

if let firstNumber = Int("4") {
    if let secondNumber = Int("42") {
        if firstNumber < secondNumber && secondNumber < 100 {
            print("\(firstNumber) < \(secondNumber) < 100")
        }
    }
}
// 4 < 42 < 100
```

`if` 文の中でオプショナルバインディングによって作られた定数や変数は、`if` 文の中でしか使えません。もし他でも使用したい場合は、`guard` 文を使用することで、`guard` 文の次から使用することができます。詳細は[Early Exit(早期リターン)](https://swift-programming-language-jp.gitbook.io/the-swift-programming-language-jp/language-guide/pages/-MenCvpU6oSuHsvZ_DQa#early-exit早期リターン)に記載しています。

### フォールバック値の提供(Providing a Fallback Value)

欠如している値を処理する別の方法は、`nil` 結合演算子( `??` ) を使用してデフォルトの値を提供することです。 `??` の左側のオプショナル値が `nil` でなければ、その値はアンラップされて使用されます。それ以外の場合、 `??` の右側の値が使用されます。例えば、以下のコードは、名前が指定されていればその名前であいさつし、名前が `nil` の場合は汎用的な挨拶を使用します。

```swift
let name: String? = nil
let greeting = "Hello, " + (name ?? "friend") + "!"
print(greeting)
// Hello, friend!
```

`??` を使用してフォールバック値を提供する方法の詳細については、[Nil-Coalescing-Operator( `nil` 合体演算子)](/the-swift-programming-language-jp/language-guide/basic-operators.md#nil-coalescing-operator)を参照してください。

### 強制アンラップ(Force Unwrapping)

`nil` がプログラマのエラーや破損した状態などの回復不可能な失敗を表す場合、オプショナル値の名前の末尾に感嘆符( `!` )を追加することで、その基本の値にアクセスすることができます。

これはオプショナル値を *強制的にアンラップする* として知られています。非 `nil` の値を強制的にアンラップすると、結果はアンラップされた値となります。 `nil` の値を強制的にアンラップすると、ランタイムエラーが発生します。 `!` は、実質的に [`fatalError(_:file:line:)`](https://developer.apple.com/documentation/swift/fatalerror\(_:file:line:\)) の短縮形です。以下のコードは、 2 つの同等のアプローチを示しています。

```swift
let possibleNumber = "123"
let convertedNumber = Int(possibleNumber)

let number = convertedNumber!

guard let number = convertedNumber else {
    fatalError("The number was invalid")
}
```

上記のコードの両方のバージョンは、`convertedNumber` が常に値を持っていることに依存しています。その要件をコードの一部として書くことで、上記のいずれかのアプローチを使用して、実行時にその要件が真であることをコードがチェックできます。

実行時にデータ要件を強制し、前提を確認する詳細については、[Assertions and Preconditions(アサーションと事前条件)](#assertions-and-preconditions)を参照してください。

### 暗黙アンラップオプショナル(Implicitly Unwrapped Optionals)

上記で書いているように、オプショナルは定数や変数に「値が存在しない」可能性があることを示します。オプショナルは値が存在するかどうかを `if` 文の中でチェックでき、存在している場合は、オプショナル内の値にアクセスするために、オプショナルバインディングを使用してアンラップすることができます。

時々、オプショナルに一度値が設定された後は必ず値が存在するということが明らかなこともあります。このような場合、常に値があることはわかっているので、アクセスする度にオプショナル値のチェックとアンラップすることを省略できれば便利です。

このようなオプショナルは、\_暗黙アンラップオプショナル\_として定義されています。`?` の代わりに `!` を型の後に付けることで、暗黙アンラップオプショナルを書くことができます(`String?` の代わりに `String!` と書くなど)。コード内で使用するオプショナル値の後に `!` 付けるよりも、定義した型の後に `!` を付けます。

暗黙アンラップオプショナルは、オプショナル値の定義後すぐに値が設定され、それ以降はずっと値が存在していることが確実な場合に役に立ちます。Swift での暗黙アンラップオプショナルの主な使われ方としては、クラスの初期化時があります。[Unowned References and Implicitly Unwrapped Optional Properties(非所有参照と暗黙アンラップしたオプショナルプロパティ)](https://swift-programming-language-jp.gitbook.io/the-swift-programming-language-jp/language-guide/pages/-MenCvpn0wAzCU2Zj35A#unowned-references-and-implicitly-unwrapped-optional-properties非所有参照と暗黙アンラップしたオプショナルプロパティ)に記載しています。

後で変数が `nil` になる可能性がある場合、暗黙アンラップオプショナル値を使用しないでください。変数の有効期間中に `nil` をチェックする必要がある場合は、常に通常のオプショナル型を使用してください。

暗黙アンラップオプショナルは、内部的には通常のオプショナルですが、非オプショナルのように使用することもできます。次の例は、オプショナルと暗黙アンラップオプショナルで、明示的に `String` を型として記載している値へアクセスするときの動きの違いを表しています。

```swift
let possibleString: String? = "An optional string."
let forcedString: String = possibleString! // ! が必要

let assumedString: String! = "An implicitly unwrapped optional string."
let implicitString: String = assumedString // ! は自動的に不要になる
```

暗黙アンラップオプショナル値を必要なときにオプショナル値へ強制アンラップできるようにしていると見なすことができます。暗黙アンラップオプショナル値を使用するとき、Swift は強制アンラップします。上記のコードでは、オプショナル値の `assumedString` は、`implicitString` が明示的に非オプショナルな `String` を宣言しているため、代入される前に強制アンラップされています。下記のコードでは、`optionalString` は明示的に型を宣言していないため、通常はオプショナル値になります。

```swift
let optionalString = assumedString
// optionalString は String? 型で assumedString は 強制アンラップする必要はありません
```

暗黙アンラップオプショナル値が `nil` の場合に内部の値にアクセスしようとすると、実行時エラーが発生します。これは `!` を付けた通常のオプショナル値で値が存在しない場合に強制的にアンラップしたときの動きと同じです。

暗黙アンラップオプショナル値が `nil` かどうかのチェックは通常のオプショナル値と同じ方法でできます。

```swift
if assumedString != nil {
    print(assumedString!)
}
// An implicitly unwrapped optional string.
```

暗黙アンラップオプショナルはオプショナルバインディングもできます。1 つの文の中で、チェックとアンラップができます。

```swift
if let definiteString = assumedString {
    print(definiteString)
}
// An implicitly unwrapped optional string.
```

## メモリ安全性(Memory Safety)

型の不一致を防ぐチェックについては [型安全と型推論](#型安全と型推論type-safety-and-type-inference) で説明しましたが、Swift はそれに加えて、無効なメモリ操作からもコードを守ります。この保護は*メモリ安全性*と呼ばれ、以下の要件が含まれます。

* 値は読み取る前に設定されている。未初期化のメモリ領域とのやり取りを防ぐこの保護は、*確定初期化*とも呼ばれる
* 配列やバッファは有効なインデックスでのみアクセスされる。範囲外アクセスから保護するこの仕組みは、*境界安全性*とも呼ばれる
* メモリへのアクセスは値のライフタイム中のみ行われる。解放後のメモリ使用を防ぐこの保護は、*ライフタイム安全性*とも呼ばれる
* メモリへの重複アクセスは、安全であると証明できる場合に限られる。並行コードでのデータ競合を防ぐこの仕組みは、*スレッド安全性*とも呼ばれる

これらの保証を提供しない言語で開発した経験があれば、上記のリストで挙げたエラーやバグに馴染みがあるかもしれません。これらの問題に遭遇していない場合は問題ありません。Swift で安全なコードを書けば、これらの問題は回避できます。Swift が初期値の設定をどのように保証するかについては [初期化](/the-swift-programming-language-jp/language-guide/initialization.md)、並行コードでのメモリ安全性のチェックに関しては[並行処理](/the-swift-programming-language-jp/language-guide/concurrency.md)、メモリへの重複アクセスの確認については[メモリ安全性](/the-swift-programming-language-jp/language-guide/memory-safety.md)をご覧ください。

時には、安全性の範囲外で作業する必要が出てくる場合もあります。たとえば、言語や標準ライブラリの制限による場合などです。そのため Swift では、一部の API に対して「unsafe」「unchecked」「unmanaged」などの語を含む型やメソッドとして、安全でないバージョンも提供しています。こうした型やメソッドを使う際は、安全性の責任を自分で負うことになります。

Swift で安全なコードを書いても、エラーや予期しない失敗が発生し、プログラムの実行が停止してしまうことがあります。安全性は、必ずしもコードが最後まで正常に動作することを保証するものではありません。Swift では、[エラーハンドリング](#エラーハンドリングerror-handling)や[アサーションと事前条件](#アサーションと事前条件assertions-and-preconditions)で説明されているように、エラーを通知し回復するためのいくつかの方法を提供しています。しかし状況によっては、エラーを安全に処理する唯一の方法が、実行を停止することである場合もあります。サービスが予期せず停止しないことを保証する必要がある場合は、そのアーキテクチャ全体にフォールトトレランス（障害耐性）を組み込んで、どのコンポーネントが予期せず停止しても回復できるようにしてください。

## エラーハンドリング(Error Handling)

実行中のエラーに対応するためには、\_エラーハンドリング\_を行います。

関数の成功や失敗を伝えるために、値の有無を利用するオプショナルと異なり、エラーハンドリングは裏側の失敗の原因を特定でき、必要ならばエラーをプログラムの他の箇所へ伝播させることができます。

関数がエラーに遭遇すると、エラーを\_スロー\_します。そして、この関数の呼び出し元でエラーを\_キャッチ\_して、適切に応答することができます。

```swift
func canThrowAnError() throws {
    // この関数はエラーをスローするかもしれません
}
```

エラーは、定義に `throws` キーワードを含めることで、エラーをスローすることを示せます。エラーをスローする関数を呼ぶ場合、式の前に `try` キーワードを付けます。

Swift は `catch` でエラーがキャッチされるまで、現在のスコープを抜けてエラーを自動で伝播します。

```swift
do {
    try canThrowAnError()
    // エラーはスローされませんでした
} catch {
    // エラーがスローされました
}
```

`do` は新しいスコープを生成して、エラーを 1 つ以上の `catch` 句でキャッチすることができます。

これは複数のエラーに応答するためにエラーハンドリングを使った例です:

```swift
func makeASandwich() throws {
    // ...
}

do {
    try makeASandwich()
    eatASandwich()
} catch SandwichError.outOfCleanDishes {
    washDishes()
} catch SandwichError.missingIngredients(let ingredients) {
    buyGroceries(ingredients)
}
```

この例では、`makeASandwich()` 関数は、綺麗な皿を使えない場合や材料が足りない場合、エラーをスローします。`makeASandwich()` はエラーをスローする可能性があるため、この関数の呼び出しは `try` 式で包まれています。`do` 文で関数の呼び出しを包み、スローされたエラーは `catch` 句でキャッチされます。

エラーがスローされない場合、`eatASandwich()` 関数が呼ばれます。エラーがスローされ、それが `SandwichError.outOfCleanDishes`case と合致する場合、`washDishes()` 関数が呼ばれます。`SandwichError.missingIngredients` ケースに合致する場合、`buyGroceries(_:)` 関数が `catch` でキャッチされた `[String]` 値をパラメータに呼び出されます。

エラーのスロー、キャッチそして伝播は、[Error Handling(エラーハンドリング)](/the-swift-programming-language-jp/language-guide/error-handling.md)でより詳細に書かれています。

## アサーションと事前条件(Assertions and Preconditions)

\_アサーション\_と\_事前条件\_は実行時のチェックです。他のコードが実行される前に必要不可欠な条件が満たされているかどうかを確かめることができます。アサーションや事前条件のブール値が `true` と評価される場合、コードは通常通り継続します。`false` の場合、現在のプログラムの状態は不正となり、コードの実行は中断し、アプリは終了します。

アサーションと事前条件はコード上での前提となる条件や期待値を表すために使います。アサーションは開発中の間違いや間違った想定を見つけやすくし、事前条件は開発中の問題を検知しやすくします。

実行時の期待値を確認することに加えて、アサーションと事前条件はコード内のドキュメントとしても有用です。[Error Handling(エラーハンドリング)](#error-handlingエラーハンドリング)で記載したエラー条件とは異なり、アサーションと事前条件は復帰可能ではなく、期待されたエラーをキャッチする手段として使用することはできません。アサーションや事前条件の失敗は、不正なプログラムの状態を表し、失敗したアサーションをキャッチする方法はありません。無効な状態からの回復は不可能です。アサーションが失敗すると、プログラムのデータの少なくとも 1 つが無効となります。しかし、それがなぜ無効であるか、また、追加の状態も無効であるのかどうかはわかりません。

アサーションと事前条件を使用することは、不正な条件を起こさないためのツールとしてコードをデザインするための代用品にはなりません。妥当なデータや状態を強制することで、不正な状態が起きた場合に、予測しやすい状態でアプリ終了させたり、プログラムをデバッグしやすくします。予測がチェックされない場合、他の場所のコードが失敗し始めるまで、この種の問題には気づかないかもしれません。そして、その間にユーザデータが破損している可能性があります。不正な状態が起きた際にすぐに実行を止めることで、不正な状態が与えるダメージを抑えることができます。

アサーションと事前条件の違いは、チェックのタイミングにあります: アサーションはデバッグビルド時にしかチェックをせず、事前条件はデバッグとプロダクションの両方のビルドでチェックされます。プロダクションビルドでは、アサーションは評価されません。つまり、開発時にはアサーションを多用してもプロダクションのパフォーマンスに影響はありません。

### アサーションを使ったデバッグ(Debugging with Assertions)

Swift の標準ライブラリの [assert(*:*:file:line:)](https://developer.apple.com/documentation/swift/1541112-assert)関数を呼ぶことでアサーションを書くことができます。`true` か `false` と評価される式と、`false` だった場合に出力するメッセージを式として渡すことができます。例えば:

```swift
let age = -3
assert(age >= 0, "A person's age can't be less than zero.")
// -3 は >=0 ではないので、このアサーションは失敗する
```

この例では、`age >= 0`、つまり負の値ではない場合 `true` となり、コードは継続して実行されます。負の値の場合、`age >= 0` は `false` となり、アサーションは失敗しアプリは終了します。

アサーションのメッセージは省略することができます。例えば、ただ条件を繰り返している場合などです。

```swift
assert(age >= 0)
```

既にチェック済みの条件に対してアサーションを呼び出したい場合、[assertionFailure(\_:file:line:)](https://developer.apple.com/documentation/swift/1539616-assertionfailure)関数を使用して、アサーションが失敗したことを示すことができます。

```swift
if age > 10 {
    print("You can ride the roller-coaster or the ferris wheel.")
} else if age >= 0 {
    print("You can ride the ferris wheel.")
} else {
    assertionFailure("A person's age can't be less than zero.")
}
```

### 事前条件を強制する(Enforcing Preconditions)

`false` になる可能性があるものの、コードの実行を継続するためには\_必ず\_ `true` にならなければならない条件に対しては、事前条件を使いましょう。例えば、サブスクリプトが範囲超えエラーを起こしていないかの確認や、適切な値を関数に渡しているかなどには、事前条件を使いましょう。

事前条件は[precondition(*:*:file:line:)](https://developer.apple.com/documentation/swift/1540960-precondition)関数を呼ぶことで、事前条件を書けます。`true` か `false` と評価される式と、`false` だった場合に出力するメッセージを式として渡すことができます。例えば:

```swift
// サブスクリプトの実装内で
precondition(index > 0, "Index must be greater than zero.")
```

事前条件が失敗したことを示すために、[preconditionFailure(\_:file:line:)](https://developer.apple.com/documentation/swift/1539374-preconditionfailure)関数を使用することもできます。例えば、switch 文の中で、本来ならば他のケースで全ての妥当な入力値をカバーできるはずなのに、default のケースに入ってしまうケースなどがあります。

> NOTE もし(`-Ounchecked`)モードでコンパイルした場合、事前条件はチェックされません。コンパイラは事前条件を常に `true` とみなしてコードの最適化を行います。一方で、`fatalError(_:file:line:)` 関数は最適化の設定をしても、常に実行を中断します。`fatalError(_:file:line:)` 関数は、試作段階や開発の初期段階で、まだ未実装であることを示すためのスタブとして使用することができます(`fatalError("Unimplemented")` と書くなど)。fatal error はコードの最適化がされないため、アサーションと事前条件とは異なり、もしこのスタブメソッドに遭遇した場合は、確実に実行を中断させることができます


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